お名前の書とは

初誕生祝いの1歳の誕生日に、一升餅を用いて、一生丸く食べ物に困る事のないよう、円満に生涯生きて行けますようにと家族が子供へ願いを込め祈願をしたお祝いを行います。このお祝いは「一生餅(いっしょうもち)」ともいわれ、古来より日本各地にこの習慣は伝承され 子供の満一歳のお祝いのときに執り行われて来た風習があります。

そして、この一升餅という習慣を無くしてはいけないと考えた、株式会社木乃幡(このはた:元の住所:福島県南相馬市鶴谷字北迎48番地)の初代創業者、木幡喜久雄(こわたきくお)の息子、吉成(よしなり)が、Webホームページを利用しての販売をする事を思いついたのが始まりとなり、お名前の書が誕生します。

この一升餅をWebホームページにて販売を開始したのが、1996年の6月、もち処木乃幡原町店オープン記念イベント時でした。日本で初めて、メールオーダーによる一升餅の通信販売が、ここに誕生しました。
当時はまだEC(イーコマース)という言葉が無かったので、ここではあえて、Webホームページによる通信販売と表現しております。

木乃幡についてはこちらをご参照ください。ウィキペディア「凍天(しみてん)」

お名前の書とは、この一升餅に誕生日の子供の名前を書き、同じく半紙にも名前を書き一升餅と一緒にお飾りをし、子供の将来の繁栄を祈願するという新しい祝い方が、木乃幡の通信販売より生まれた事から、この「お名前の書」は日本全国に広まっていきました。

お名前の書の誕生秘話 ~序章~

1996年当時、一升餅はそもそも無地の一つ丸め、または「寿」を書き入れお祝いが行われておりました。名前を書くようになったのが、通信販売はまだ行っていない頃の話です。書道を幼少期から親しんでいた吉成が、お餅に寿を書いていた時です。客との話で子供の名前を熟考して決めた自慢の名前だと聞き、それならお餅に名前を書きましょうと、丸めた餅に食紅で、子供の名前を書き入れました。これが、名入れ一升餅の始まりです。

吉成が名前を書いた事から、名入れ一升餅が、木乃幡の看板商品の一つになって行きました。当時吉成は現代書に目覚め、自分の書道スタイルを模索している時期。その時出会ったのが「筆跡術」でした。文字には健康運、金運、華麗運、仕事運が向上する書き方があるという事を知り、その書き方を書道に取り入れたら?と考え、日々名前を書き込んでいました。1日に100枚以上書く日が何か月も続きました。

そして出来上がったのが現在のお名前の書のベースにもなる、筆跡術を取り入れた現代書が完成したのです。
この筆跡術を用いた字で、お名前を書く一升餅が、地元では噂を呼び、口コミで日々注文が入るようになりました。

そして、2004年に吉成に長男が誕生してより、未来への子供達に思いを込めて名前を書く「名入れ師」を提唱。雅号「月颯(ツキカゼ)」として活動を始めます。

一升餅の通信販売の開始 ~お名前の書誕生~

この一升餅の風習は、消えゆく運命のにありました。核家族化が進み伝承が消えて行ったのです。その為、1996年に吉成が一升餅をホームページで紹介し販売する事を思いつき、2002年には自社サイトをショッピングカート化し、お店の目玉商品の一つとして販売を行っておりました。しかし思ったように販売は伸びずにおり、2003年には通信販売の拡大の為に楽天市場に出店、2005年にはショップオブザイヤーを受賞します。

このショップオブザイヤーを受賞するまでには、多額の広告費を費やした為、会社としての方向性を一時見直す事態を招きました。広告費を使わず、口コミで拡散する商品はないかと注目されたのが「お名前の書付き」の名入れ一升餅でした。この、お名前の書に2006年当時、始まったばかりのTwttr(後のTwitter)で紹介するお客様が続出し、このお名前の書欲しさに一升餅を購入する方まで出て来ました。

2006年の頃からTwitterや後にFaceBookが始まり、一升餅の利用者は子供の晴れ姿の写真を撮り、このSNSやブログで紹介するようになりました。このお名前の書付き一升餅は、お父さんお母さんにとって、とても魅力的な物となって行きました。同時に同業他社でも一升餅の通信販売を行うようになり、一升餅がこの世から消える事は無くなりました。月颯は一升餅の歴史を守る事に成功したのです。

名前にこそ、親の思いがこもっている。だからこそ「お名前の書」が必要。


この子は、将来、どんな大人になるのだろう?


幸せな人生を送っているのだろうか?


健康だけは大切にしてほしい。


仕事はうまく行っているだろうか?


生活できているだろうか?


この子を好いてくれる人はどんな人だろう?



そんな思いで、あなたの名前は頂きました。その名前に、親の思いを込めて、将来の希望を込めて書き残す事が出来るのが、このお名前の書なのです。大人になった時に、名前の由来とお名前の書をお子様に引き継ぎます。